2026年8月16日|睡眠・不眠について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
ホーム › 睡眠の質・仕組みを知る › レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?役割・サイクル・整え方を解説
睡眠の質・仕組みを知る

レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?役割・サイクル・整え方を解説

中村 さやか / 更新:2026-06-24
レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?役割・サイクル・整え方を解説
「寝ても疲れが取れない」「夢ばかり見て眠った気がしない」。そんな悩みの正体は、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスにあることが多いです。

結論から言うと、レム睡眠は「体を休めて脳は活動する眠り」、ノンレム睡眠は「脳を深く休める眠り」。この2つが約90分周期で繰り返されることで、心と体が回復します。

この記事では、2つの違いを言葉の意味から整理し、夢を見る理由、自分の睡眠を測る方法、今夜から整える習慣まで解説します。私が睡眠専門クリニックで6年間カウンセリングに携わった経験も交えてお伝えします。

レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?まず結論から

レム睡眠ノンレム睡眠  特徴、加齢による変化など
レム睡眠ノンレム睡眠  特徴、加齢による変化など

ヒトの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの状態で構成されます。睡眠と覚醒の状態は、脳波・筋活動・眼球運動の3つを測って判定されます。

レム・ノンレムという言葉の意味

レム(REM)は英語の Rapid Eye Movement、つまり「急速眼球運動」の頭文字です。まぶたを閉じていても、目玉がキョロキョロと素早く動くのが特徴です。

ノンレム(Non-REM)は、その名のとおり「レムではない睡眠」。眼球運動がほとんど見られない眠りを指します。

レム睡眠の特徴(体を休め脳は活動)

レム睡眠中は、筋活動が低下し、ときに全く消失します。体はぐったり脱力しているのに、脳波は覚醒中と同じような小さな速波を示すのが面白いところ。

つまり「体は休んでいるのに脳は働いている」状態。夢を鮮明に見るのもこのタイミングが多いです。

ノンレム睡眠の特徴(脳を深く休める)

ノンレム睡眠は、大脳皮質の活動が低下する眠りです。日本睡眠学会は、ノンレム睡眠中に現れるデルタ波が大脳皮質の活動低下を反映すると説明しています。

言い換えれば、脳そのものを休ませる時間。深いノンレム睡眠ほど、外の音や刺激で目を覚ましにくくなります。

違いがひと目で分かる比較ポイント

レム睡眠とノンレム睡眠の違い
項目レム睡眠ノンレム睡眠
眼球運動急速に動くほとんど動かない
筋活動低下・消失ある程度保たれる
脳の状態活動している休息している
脳波覚醒に近い速波ゆっくりした徐波
鮮明に見やすい見にくい
主な役割記憶の整理・定着脳の休息・回復

ざっくり言えば、ノンレムは「脳のメンテナンス」、レムは「記憶の整理」。役割が違うからこそ、どちらも欠かせません。

一晩の睡眠の流れと約90分の睡眠サイクル

眠りは一晩中ずっと同じ深さではありません。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、レム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で変動します。

一晩の睡眠の流れと約90分の睡眠サイクル

就寝後にレムとノンレムが繰り返される仕組み

眠りについた直後、まず深いノンレム睡眠が現れます。その後しばらくしてレム睡眠が訪れ、これがワンセット。

日本睡眠学会の解説では、睡眠開始直後は深いノンレム睡眠が中心で、明け方に向かうほどレム睡眠の持続時間が長くなります。

だから明け方の夢ほど長く、起きる直前の夢を覚えていることが多いのです。

ノンレム睡眠の3つの深さ(睡眠ステージ)

ノンレム睡眠は、眠りの深さによって3段階に分けられます。相談e-眠りでは、最も深い段階3が「徐波睡眠」とも呼ばれると説明されています。

ノンレム睡眠の3つの段階
段階深さ状態の目安
段階1浅いうとうと、入眠直後
段階2中程度本格的に眠りに入る
段階3深い(徐波睡眠)脳が最も休まる時間帯

段階3の深い眠りは、特に眠り始めの最初の周期に多く出ます。寝入りばなの90分が大事と言われるのは、ここに理由があります。

レム睡眠とノンレム睡眠の理想的なバランス

一晩の中で、レム睡眠は全体の約20%程度とする解説があります。これは一次情報ではなく解説記事の記述なので、目安として受け取ってください。

正直、何%が理想と数字に縛られる必要はありません。私がカウンセリングで重視していたのは、割合より「朝スッキリ起きられるか」という体感のほうです。

レム睡眠・ノンレム睡眠が担う体と心への役割

レム睡眠とノンレム睡眠は、眠りの深さだけでなく役割も異なります。複数の解説で、レム睡眠は記憶の整理・定着、ノンレム睡眠は脳の休息に関わると整理されています。

レム睡眠・ノンレム睡眠が担う体と心への役割

脳の老廃物排出と疲労回復

深いノンレム睡眠は、脳を休ませて日中の疲れを回復させる時間です。前述の日本睡眠学会の説明どおり、大脳皮質の活動が落ちることで、脳がしっかり休めます。

夜中に何度も目が覚める人は、この深い眠りが分断されやすい。翌朝の重だるさは、ここが削られているサインのことが多いです。

成長ホルモンの分泌と細胞の修復

成長ホルモンは、眠り始めの深いノンレム睡眠で多く分泌されます。肌や筋肉、細胞の修復に関わるホルモンです。

美容のためにも、最初の深い眠りを邪魔しないことが効きます。寝る直前のスマホや夜食は、ここを浅くしてしまうので私はおすすめしません。

記憶の定着と感情の整理(手続き記憶と陳述記憶)

記憶には大きく2種類あります。自転車の乗り方のように体で覚える「手続き記憶」と、出来事や知識として覚える「陳述記憶」です。

レム睡眠は感情や体で覚えた記憶の整理に、深いノンレム睡眠は学んだ知識の定着に関わると考えられています。試験前の徹夜が逆効果なのは、この睡眠中の整理が抜け落ちるからです。

なぜレム睡眠中に夢を見るのか

夢は主にレム睡眠中に見られます。脳が活発に働きながら記憶や感情を整理している最中なので、その断片がストーリーのように体験されると考えられています。

レム睡眠中は筋肉が脱力しているため、夢で走っても実際の体は動きません。脳と体の役割分担が、ここでもうまく働いています。

睡眠サイクルが乱れるとどうなる?睡眠障害と疾患リスク

睡眠[基本]レムやノンレム、体内時計、睡眠物質など 精神医学のWeb講義
睡眠[基本]レムやノンレム、体内時計、睡眠物質など 精神医学のWeb講義

レム睡眠とノンレム睡眠は、各種の睡眠障害や睡眠の評価で重要な区分です。日本大学医学部附属板橋病院の睡眠センターも、この2区分を前提に説明しています。

バランスが崩れたときに起きる不調

深いノンレム睡眠が足りないと、寝ても疲れが抜けず、日中の眠気や集中力低下につながります。

逆に途中で何度も目覚めてサイクルが分断されると、せっかくのレム睡眠も削られ、感情が不安定になりやすい。私の経験上、寝不足のときにイライラしやすいのはこれが一因です。

レム睡眠行動障害(RBD)と認知症・パーキンソン病との関連

通常、レム睡眠中は筋肉が脱力するため、夢を見ても体は動きません。ところがこの抑制がうまく働かず、夢の内容のままに大声を出したり手足を動かしたりするのがレム睡眠行動障害(RBD)です。

RBDは、後にパーキンソン病やレビー小体型認知症などの神経疾患の前ぶれとして現れることがあると指摘されています。寝言や寝ぼけて暴れる症状が続く場合は、自己判断せず睡眠外来の受診をおすすめします。

年齢で変わる睡眠構造(子ども・高齢者の違い)

睡眠の構造は、年齢で大きく変わります。新生児はレム睡眠の割合が非常に高く、成長とともにノンレム睡眠が増えていきます。

高齢になると深いノンレム睡眠が減り、夜中に目覚めやすくなる傾向があります。「歳をとると朝早く目が覚める」のは老化に伴う自然な変化で、必ずしも異常ではありません。

自分のレム・ノンレムを知る測定・可視化の方法

睡眠の状態は、本来は脳波・筋活動・眼球運動を測って判定するものです。家庭で完全には再現できませんが、おおよその傾向をつかむ方法はいくつかあります。

自分のレム・ノンレムを知る測定・可視化の方法
睡眠を測る3つの方法の比較
方法測るもの精度の目安費用の目安
睡眠アプリスマホのマイク・加速度で寝返りや音参考程度無料〜有料
ウェアラブル心拍・体動などから推定中程度端末代がかかる
睡眠ポリグラフ検査脳波・眼球運動・筋活動を直接測定医療水準で高い医療機関で実施

睡眠計測アプリでできること

スマホの睡眠アプリは、マイクや加速度センサーでいびき・寝返りを記録し、眠りの浅い深いをグラフで見せてくれます。

あくまで推定であって、脳波を測っているわけではありません。でも「毎日同じ時間に深い眠りが取れているか」の傾向を見るには十分役立ちます。気軽に始められるのが利点です。

ウェアラブルデバイスの仕組みと精度

腕時計型や指輪型のデバイスは、心拍数や体の動きから睡眠段階を推定します。アプリより体に近い場所で測るぶん、データは安定しやすい印象です。

ただしこれも推定値。数字に一喜一憂するより、1〜2週間の傾向として眺めるのが正しい使い方だと私は考えます。

睡眠ポリグラフ検査(専門的な精密検査)

睡眠ポリグラフ検査は、脳波・眼球運動・筋活動などを直接測る医療検査です。レム・ノンレムを正確に判定できる、いわば本物の測定方法です。

睡眠時無呼吸やRBDが疑われるときに、医療機関で行われます。アプリやウェアラブルで気になる結果が続くなら、まずは睡眠外来に相談するのが確実です。

レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを整える習慣

測るだけでは眠りは良くなりません。約90分周期というリズムを味方につける、具体的な習慣を紹介します。どれも今夜から試せます。

レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを整える習慣

十分な睡眠時間を確保する

約90分周期が一晩に4〜5回繰り返されると考えると、6時間〜7時間半が一つの目安になります。

ただし必要な睡眠時間には個人差があります。日中に強い眠気が出ないかを基準に、自分に合う長さを探るほうが現実的です。

入浴・光・カフェインで質を高める準備

入浴は、就寝の90〜120分前にぬるめのお湯で済ませると、体の深部体温が下がるタイミングで自然と眠くなります。熱すぎるお湯は逆効果なので避けます。

カフェインは作用が長く残るため、夕方以降のコーヒーは控えめに。アルコールは寝つきは良くしても、後半の睡眠を浅くして夜中の目覚めを増やします。寝酒は私が最も止めてほしい習慣です。

朝は光を浴びて体内時計をリセットすると、夜の眠気が整いやすくなります。

睡眠サイクルを活かしたスッキリ起きる時間の計算

レム睡眠の浅いタイミングで起きると、目覚めがスッキリしやすい。約90分周期を使えば、起床時刻から逆算して就寝時刻の見当をつけられます。

たとえば朝6時半に起きたい場合、90分の倍数をさかのぼると、23時または0時半ごろの就寝が一つの候補。周期には個人差があるので、何日か試して合う時間を見つけてください。

効果的な昼寝(仮眠)の取り方

昼寝は20分前後の短い仮眠がおすすめです。深いノンレム睡眠に入る前に起きられるので、寝起きのだるさが出にくいからです。

30分以上眠ると深い眠りに入り、かえってぼんやりします。午後3時以降の昼寝は夜の寝つきを妨げるので、私は午後早めに切り上げるよう伝えています。

【独自視点】見落としがちな睡眠の質を左右する要因

【睡眠の質って結局なに?】疲労回復と記憶力UPが叶う方法/ノンレム睡眠の意外な役割/眠れない時間帯「睡眠禁止帯」とは?/寝落ちは悪いのか?/良質な睡眠をとる4要素【BODY SKILL SET】
【睡眠の質って結局なに?】疲労回復と記憶力UPが叶う方法/ノンレム睡眠の意外な役割/眠れない時間帯「睡眠禁止帯」とは?/寝落ちは悪いのか?/良質な睡眠をとる4要素【BODY SKILL SET】

ここからは、上位記事であまり触れられない視点を厚めに。同じ生活でも、ホルモンや体質で睡眠の出方は変わります。クリニックで多かった相談を中心にまとめます。

女性特有の要因(月経・妊娠・更年期)の影響

女性は、月経前に眠気が強くなったり、逆に寝つけなくなったりとホルモンの波で睡眠が揺れます。「いつも生理前に眠りが浅い」という相談は本当に多かったです。

妊娠中は体の変化や頻尿で、更年期はほてりや中途覚醒で眠りが分断されがち。これは意志の弱さではなく体の変化なので、自分を責めないでほしいと思います。つらいときは婦人科や睡眠外来に相談を。

食事・栄養素(トリプトファン等)と睡眠の質

睡眠リズムに関わるメラトニンは、トリプトファンというアミノ酸から作られます。トリプトファンは大豆製品・乳製品・バナナなどに含まれます。

リラックスに関わるGABAを含む食品もあります。ただしサプリに頼る前に、まずは朝食でたんぱく質をとることのほうが土台として大事だと私は考えます。極端な食事制限は睡眠にも響きます。

ショートスリーパーなど個人差・体質の話

短い睡眠で足りる「ショートスリーパー」と呼ばれる人がいます。ただ、その多くは体質ではなく単なる睡眠不足を我慢しているだけ、というのが現場での実感です。

本物のショートスリーパーはごくわずか。日中に眠気があるなら、あなたは短時間型ではなく、ただ眠りが足りていません。憧れて睡眠を削るのは、正直おすすめしません。

レム睡眠・ノンレム睡眠の違いに関するよくある質問

クリニックや相談でよく聞かれた質問に、簡潔に答えます。前述の出典で裏づけられる範囲でお伝えします。

レム睡眠・ノンレム睡眠の違いに関するよくある質問

よくある質問

レム睡眠とノンレム睡眠の違いを一言でいうと?
レム睡眠は「体を休めて脳は活動する眠り」、ノンレム睡眠は「脳を深く休める眠り」です。レムは急速眼球運動が特徴で夢を見やすく、ノンレムは眼球運動がほとんどなく脳が休息します。両者は約90分周期で繰り返されます。
測定や検査にお金はかかる?
方法によります。スマホの睡眠アプリは無料〜有料、ウェアラブルは端末代がかかります。脳波まで正確に測る睡眠ポリグラフ検査は医療機関で行われ、症状によっては保険診療の対象になります。まずは無料アプリで傾向を見て、気になる症状があれば睡眠外来に相談するのが現実的です。
睡眠改善はどこから始めればいい?
いきなり全部変えなくて大丈夫です。まず朝に光を浴びて起床時刻をそろえること、夕方以降のカフェインと寝酒を控えること、入浴を就寝の90〜120分前に済ませること。この3つから始めると、深いノンレム睡眠が取りやすくなります。

最後に一つだけ。睡眠で大事なのは完璧なグラフより、朝起きたときの「よく眠れた」という体感です。今夜は寝酒をやめて、入浴の時間を少し早める。そこから始めてみてください。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

中村 さやか

睡眠健康指導士(上級) ・ 都内睡眠専門クリニック 元カウンセリングスタッフ(勤務6年)

睡眠専門クリニックでの勤務経験をもとに、不眠に悩む女性が今夜から実践できる情報を、医療の現場で見聞きした一次情報をもとに届けています。自身も育児期に慢性的な寝つきの悪さを経験し、当事者目線を大切にしています。

メルマガ登録

中村 さやか
中村 さやか
睡眠専門クリニックでの勤務経験をもとに、不眠に悩む女性が今夜から実践できる情報を、医療の現場で見聞きした一次情報をもとに届けています。自身も育児期に慢性的な寝つきの悪さを経験し、当

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。