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眠れない・寝つきが悪い

眠れないときの対処法5選|今すぐできるリラックス法と原因別の改善策

中村 さやか / 更新:2026-06-24
眠れないときの対処法5選|今すぐできるリラックス法と原因別の改善策
布団に入っても眠れない。時計を見るたびに焦って、また寝つけない。その悪循環、まずは「焦らないこと」から抜け出せます。

今夜すぐできるのは、全身の力を抜く・ゆっくり呼吸する・どうしても眠れなければ一度ベッドを離れる、この3つ。難しい準備は要りません。

私は睡眠専門クリニックで6年カウンセリングに携わり、自分自身も育児期に寝つきの悪さに苦しみました。この記事では今夜の対処から、なぜ眠れないのかの切り分け、受診の目安までを順に整理します。

眠れないときの対処法とは?まず試したい結論

夜なかなか眠れない時の3つの対処法【精神科医・樺沢紫苑】
夜なかなか眠れない時の3つの対処法【精神科医・樺沢紫苑】

「眠れないときの対処法」とは、入眠を妨げている緊張や刺激を減らし、眠りに入りやすい状態へ体と心を整える具体的な手順のことです。薬を飲む前に、まずできることがあります。

成人の適正な睡眠時間は6時間以上が目安とされ、必要な長さには個人差があります。「8時間眠らなきゃ」という思い込み自体が、焦りを生む原因になることも多いんです。

焦らないことが何より大切

眠れない夜にいちばんやってはいけないのが「早く寝なきゃ」と力むこと。焦りは交感神経を刺激して、かえって目が冴えます。

クリニックでも「眠ろうと頑張るほど眠れなくなった」という相談は本当に多かった。眠れない時間を、責めずに受け流す。これだけで翌晩からの寝つきが変わる方もいました。

今夜すぐできる対処の全体像

今夜の対処は、大きく「リラックスで緊張を解く」「刺激を減らす」「眠くないなら離れる」の3方向です。次の章で1つずつ手順を紹介します。

今夜すぐできる対処の全体像
方向性具体的な行動狙い
緊張を解く筋弛緩法・腹式呼吸・百会のツボ押し体のこわばりと頭の興奮を鎮める
刺激を減らすスマホを消す・照明を落とす入眠を妨げる光刺激を避ける
離れる眠くなるまで一度ベッドを出る寝床=眠れない場所という結びつきを断つ

やってはいけないNG行動

寝つけないときの寝床でのスマホ操作は逆効果です。就寝前の強い光は睡眠を妨げ得るため、光刺激を減らすことが推奨されています。

もうひとつ、寝酒。アルコールは睡眠の質を低下させ得るため、眠るための飲酒は避けるべきとされています。寝つきが良くなった気がしても、夜中に目が覚めやすくなります。

今すぐできるリラックス法5選

ここからはベッドの中でもできる具体策です。お金も道具も要りません。私が現場でも家でも実際に使ってきた順に紹介します。

今すぐできるリラックス法5選
今夜試せるリラックス法5選
方法かかる時間ポイント
筋弛緩法約5分力を入れてから一気に抜く
腹式呼吸約3分吐く時間を長くする
百会のツボ押し約1分頭頂を気持ちいい強さで
ぬるめの入浴就寝1〜2時間前体温が下がる時に眠くなる
ベッドを離れる眠くなるまで暗い場所で静かに過ごす

全身の力を抜く筋弛緩法

筋弛緩法は、わざと体に力を入れてから一気に抜く方法。緊張と弛緩の落差で、体のこわばりがほどけます。

両手をぐっと握って5秒、ふっと脱力。肩をすくめて5秒、ストンと落とす。足先まで同じように順番に。寝たままできるので、私はこれを布団の中で必ず最初にやります。

心を落ち着ける腹式呼吸法

お腹を膨らませながら鼻から吸い、口からゆっくり長く吐く。吐く時間を吸う時間より長くすると、気持ちが落ち着きやすくなります。

頭の中で4秒吸う、7秒止める、8秒で吐く、と数えるやり方も使いやすい。数を数えること自体が、ぐるぐる考える思考から離れる助けになります。

頭頂のツボ「百会」を押す

百会(ひゃくえ)は、頭のてっぺん、両耳の先を結んだ線の中央にあるツボです。両手の中指を重ねて、気持ちいいと感じる強さで数回押します。

正直、ツボだけで眠れるわけではありません。でも呼吸法とセットにすると、手を動かす分だけ意識が頭に向き、考えごとから離れやすい。補助として使うのがちょうどいいと思います。

ぬるめのお風呂で体を温める

入浴は就寝の1〜2時間前、ぬるめの湯が眠りにつながりやすいとされています。熱すぎる湯は体を興奮させるので逆効果です。

人は深部体温が下がるときに眠くなります。お風呂で一度温めて、その後に体温が下がっていく流れに乗ると、自然な眠気がきやすいんです。

一度ベッドから離れてみる

15分以上たっても眠れないなら、思い切って一度ベッドを出ます。眠れないまま床で長く過ごすより、眠くなるまでいったん寝床を離れる「刺激制御法」が不眠対応に用いられます。

このとき明るい照明やスマホはNG。暗めの部屋で静かに座り、眠気がきたら戻る。「寝床=眠れない場所」という結びつきを断つのが目的です。

そもそもなぜ眠れない?原因を切り分ける

対処法は、原因に合わせて選ぶほど効きます。眠れない理由は人によって違うので、まず自分がどのタイプかを切り分けましょう。

そもそもなぜ眠れない?原因を切り分ける

日本でも不眠は珍しくありません。成人の約5人に1人が、睡眠で日中に支障を感じているとされています。

不安やストレスなど心の要因

考えごとが止まらず眠れない。これは精神的な緊張が交感神経を高ぶらせているサインです。

仕事や人間関係の悩み、明日への不安。心の要因による不眠には、前章の腹式呼吸や筋弛緩法のように「体から緩める」アプローチが向いています。

スマホ操作や寝酒などの行動要因

寝る直前までスマホ、眠れないから一杯。この2つは不眠を自分で作っている典型です。

前述のとおり、就寝前の強い光は睡眠を妨げ得て、アルコールは睡眠の質を下げます。心当たりがあるなら、まずここを断つだけで改善する人が少なくありません。

不規則な生活習慣・加齢による変化

起きる時間がバラバラだと体内時計が乱れ、夜に眠気が来にくくなります。休日の寝だめも、平日の寝つきを崩す原因です。

加齢とともに眠りは浅く、早朝に目が覚めやすくなります。これは自然な変化なので、若い頃と同じ睡眠を求めすぎないことも大切です。

一時的な不眠と慢性的な不眠の違い

数日の寝つきの悪さは、多くが一時的なもの。問題は長引くケースです。

不眠が週3回以上、3か月以上続く場合は慢性不眠障害の定義に合致します。ここを超えてきたら、セルフケアだけで抱えず受診を考える目安になります。

根本から整える生活習慣と体内時計

眠れなくても全然オッケー!【精神科医・樺沢紫苑】
眠れなくても全然オッケー!【精神科医・樺沢紫苑】

今夜の対処と並行して、明日からの土台づくりも進めます。眠れない夜を繰り返さないための根本対策です。

鍵は体内時計。これを毎日同じリズムに整えることが、寝つきの安定につながります。

朝日を浴びて体内時計をリセット

朝、起きたらカーテンを開けて光を浴びる。これが一日の体内時計をリセットするスイッチになります。

夜眠るために、実は朝の行動が効きます。起床時間をなるべく一定にして、休日も大きくずらさないのがコツです。

食事・栄養面からのアプローチ

カフェインは睡眠に影響し得るため、夕方以降の摂取を控えることが推奨されています。コーヒー、緑茶、エナジードリンクが該当します。

私のおすすめは、午後3時以降はカフェインを切ること。眠れない人ほど、自分でも気づかないうちに夕方のコーヒーが響いていることがあります。

運動習慣と昼寝の正しい取り方

日中の運動は睡眠改善に有効とされ、生活習慣の一部として推奨されています。激しい運動より、ウォーキングなど続けられるものでいいんです。

昼寝は短く。長く寝すぎると夜の眠気を奪います。午後の早い時間に20分程度までにとどめるのが、夜の睡眠を邪魔しないコツです。

寝室環境(温度・湿度・照明・寝具)の最適化

寝室は「暗く・静かに・快適な温度」が基本。眠る前に照明を落とすだけでも、体は眠る準備に入ります。

枕やマットレスが合っていないと、寝返りがしにくく眠りが浅くなります。高価な寝具を急いで買うより、まず照明と光の管理から見直すのが費用対効果が高いです。

年代・ライフステージ別の対処のポイント

不眠の出方は、年代や性別で変わります。自分のステージに合った対処を選ぶと、ぐっと現実的になります。

年代・ライフステージ別の対処のポイント

特に女性は、ホルモンの変動が睡眠に直結します。ここは現場でも相談がとても多かった部分です。

女性特有のホルモン変動と不眠

月経前や妊娠中は、ホルモンの変化で寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりしやすい時期です。

私自身、育児期に慢性的な寝つきの悪さを経験しました。「自分が弱いせい」ではなく体の変化のせい、と切り分けるだけで気持ちが楽になります。

更年期・高齢者の睡眠の変化

更年期はホルモンの揺らぎで中途覚醒が増えやすい時期。高齢になると眠りは浅く、早朝覚醒が起こりやすくなります。

高齢の方は「長く寝なければ」と思いすぎないこと。必要な睡眠時間には個人差があり、日中元気に過ごせていれば問題ないケースも多いんです。

夜勤・シフト勤務者の睡眠調整

夜勤明けは強い光を避け、サングラスや遮光カーテンで「夜の環境」を作ると眠りやすくなります。

勤務時間が不規則でも、できる範囲で起床・就寝のリズムを固定する。完璧を目指さず、光のコントロールを優先するのが現実的です。

市販薬・受診の目安と専門的な治療法

セルフケアで改善しないとき、薬や受診をどう考えるか。ここは慎重に判断したい人が多い部分なので、丁寧に整理します。

市販薬・受診の目安と専門的な治療法

先に立場をはっきり言うと、私は市販の睡眠改善薬の常用は勧めません。一時しのぎにはなっても、慢性不眠の根本解決にはならないからです。

市販の睡眠改善薬・漢方薬の選び方

市販の睡眠改善薬は、一時的な寝つきの悪さ向けで、慢性不眠には適しません。漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶもので、自己判断が難しい面があります。

睡眠薬は自己判断で長期連用せず、医師の指示に従う必要があるとされています。市販薬であっても、長く続くなら使い続けるのではなく受診を選んでください。

認知行動療法など薬に頼らない方法

薬に頼らない方法として、不眠の認知行動療法(CBT-I)があります。考え方の癖や寝床での過ごし方を見直し、根本から眠りを立て直すアプローチです。

この記事で紹介した刺激制御法(眠くなるまで寝床を離れる)も、その一部。地味ですが、薬のような依存の心配がなく、効果が続きやすいのが利点です。

医療機関を受診する目安と診療科の選び方

目安は明確です。不眠が週3回以上、3か月以上続くなら、慢性不眠障害にあたるため受診を検討してください。日中の支障が強いときも同じです。

受診先は、睡眠外来があればそこ。なければ心療内科や精神科でも相談できます。気分の落ち込みが強いときは、こころの健康相談の窓口も活用してください。

眠れないときの対処法に関するよくある質問

夜、眠れない時の対処法【精神科医・樺沢紫苑】
夜、眠れない時の対処法【精神科医・樺沢紫苑】

最後に、読者からよく一緒に調べられる質問にまとめて答えます。

よくある質問

眠れないときの対処法とは?
入眠を妨げる緊張や刺激を減らし、眠りに入りやすい状態を作る手順です。今夜できるのは筋弛緩法・腹式呼吸・百会のツボ押しなどのリラックス法と、就寝前のスマホや寝酒を避けること。15分以上眠れなければ一度寝床を離れる方法も有効です。
対処法にお金はかかる?
基本的に無料です。呼吸法やツボ押し、朝日を浴びる、入浴のタイミングを整えるといった対策は、道具も費用も要りません。寝具や市販薬にお金をかける前に、まず照明・光の管理や生活リズムの見直しから始めるのが費用対効果が高いです。
対処法はどう始めればいい?
今夜は布団の中で筋弛緩法と腹式呼吸から。明日からは起床時間を一定にし、朝に光を浴びることを習慣にしてください。週3回以上・3か月以上眠れない状態が続く場合は、セルフケアにこだわらず睡眠外来や心療内科への受診を検討しましょう。

眠れない夜は、自分を責めないことから。今夜は呼吸をひとつ整えるところから始めてみてください。それでも続くなら、抱え込まず専門家を頼って大丈夫です。

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中村 さやか

睡眠健康指導士(上級) ・ 都内睡眠専門クリニック 元カウンセリングスタッフ(勤務6年)

睡眠専門クリニックでの勤務経験をもとに、不眠に悩む女性が今夜から実践できる情報を、医療の現場で見聞きした一次情報をもとに届けています。自身も育児期に慢性的な寝つきの悪さを経験し、当事者目線を大切にしています。

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